2019.4.01 mon沖縄エリアスタッフBLOG
『ぼくのゆめは“けんきゅうしゃ”になることです』
皆さん、お元気でしたか?
島んちゅの帽子屋平和通り店の又吉です♪
3月の後半にも入ると、僕の誕生日が近付いているという【高揚感】と共に、
あと少しで平成が終わるという【寂しさ】が入り交じる、
何とも云えないこの空気・・・僕は一体、どうしたらいいのでしょう?(苦笑)
・・・さ、さぁ!気持ちを切り替えて、今回も参りましょうか♪
皆様、長らくお待たせ致しました!期間は空きましたが、
いよいよオリジナル小説の【新作】をお見せいたしましょう!
まずは、こちらの【番外編】からどうぞ!
『ハンバーガーJr.の発端』
第0.5話『ノアの“箱庭”』
作文テーマ:ぼくのゆめ
「ぼくのゆめは、けんきゅうしゃになることです。なぜなら、ぼくはけんきゅうするのがだいすきだからです。」
小学生の頃の僕の作文だ。一字一句、今でもハッキリ覚えてる。
この頃からもう、自分は研究者になることを目指してた。一点の曇りもなく、ただただ純粋な眼差しで。
希望に満ち溢れていたあの夢が、
今では毎晩のように“悪夢”に化けては襲い掛かり、うなされる。
このまま不眠症になだれ込むのも時間の問題だろう。
楽しかった夢が悪夢に変わったのはきっと、
今僕が関わっている“研究”が関係しているのかもしれない。
今までにない最新鋭の設備と、かき集めた膨大な資料を基に、
未だ誰も成しえたことのない【前代未聞の研究】をしているのだから。それに・・・
???:
「おい、何独りでブツブツ言ってんだ。佐藤」
僕にしては珍しく饒舌な語りを途中で遮ったのは、上司の高橋さんだった。この人を一言で表すなら・・・
高橋:
「大丈夫か?大丈夫じゃないよな。毎晩悪夢にうなされてるもんな!アッハハハハ!!」
【悪魔】だ。
佐藤:
「・・・気になることが」
高橋:
「どした?」
僕は目の前のパソコンの画面を高橋さんに見せた。細目に画面を覗く上司に、
(もう老眼が始まったんですか?)
と言いそうになったが、ここは敢えて黙っておこう。
佐藤:
「“箱庭”に小さなバグが・・・」
高橋:
「んあ?」
そこには確かに、僅かながらデータのバグがポツンとあった。
これがもし“一軒家”だったら、どこぞのテレビ番組に迷わず応募するのだろうが、これは勝手が違う。
だが、上司の高橋さんはバグを見るなり、ポツンと一言。
高橋:
「ほっとけ」
佐藤:
「えっ・・・」
当然のリアクションだ。それが上司の言うセリフなのか。
どうかしてる。挙げ句の果てには、
高橋:
「そんなのは、バグの内にも入らん。何かしら影響が出たら、削除しとけ」
佐藤:
「しかし・・・」
高橋:
「大丈夫、大丈夫。全責任は俺が取るから。じゃ、俺は先に帰るわ。あと宜しく~」
そう言って、高橋さんはそそくさと部屋から出ていった。
佐藤:
「・・・・・・」
結局、データ内のバグは処理せず、そのまま研究は続行された。
しかしこれが後に、思いもよらない事態に陥ることになるとは、この時の僕でさえ、想像もしてなかった・・・
End.